みてごらんきいてごらん。3
2007年1月〜
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陽気で哀しい
音楽に

佐藤 弘(著)

2007 .10 発売
 小 説

読み始め、なんか新人若手作家にありがちな、まわりくどい表現に
「読むのめんどくせーな、おい」って思わせないでもないが(笑)
そんなことは帯の推薦文を町田康が書いてる時点で薄々覚悟してたけど(笑)

渋谷のレコードショップで働くフリーターが主人公。

音楽が大好きな友人の家にほとんどレコードがない。
聞けば、仙台から東京に出てくるときに全部売って処分したという。
押入れの中にあるハードディスクに全部データとして収めてあるという。

その事実に違和感を覚えるも、だけどこの30枚だけはいつまでも
持っているつもりだ、というレコードの存在を知りホッとする。

主人公自体、友人と音楽データをメールでやりとりするシーンが
何度もでてきて、そこに、まぁ、実際そういうことになっちゃってるけど
でも、なん虚しいよね、的な空気が流れる。

この本は、まぁ、ジャケ買いしたわけだが(笑)
これほど内容を適切に表現しているタイトルの小説がいままであっただろうか?
と思わせるほど「陽気で哀しい音楽に」なお話でした。

音楽好きな方は是非。


                                             2007. 11. 03

残虐記

桐野 夏生(著)

2004 .2 発売
 小 説

ある男に誘拐され、1年以上監禁された少女が後に小説家になり、そして失踪。
残された原稿には、その監禁されていたときのことが生々しく記してあった・・

どっかであった少女誘拐監禁事件をモチーフにしていることは明らかだが
その事件を知ったとき、誰もがその少女を見たいと思ったはずだし
(少女っつーか助けられたときは19歳だったっけか?)
今もその女性がどうなっているか知りたいと思うのが人間だろう。

その「やじうま」的な世間の感情と誘拐された本人しか知りえない「真相」を
桐野夏生らしく残酷に描いている小説だ。

「桐野夏生らしく」つっても、基本オレは女性作家はあまり好きではないので
桐野夏生の小説をそんなに読んだことがない(笑)
そんなにっつーか、たぶん2,3冊しか読んだことがない。

だからなんだっつー話でもないが、ま、これはおもしろかったよ。

確かに、こんな感じになるのかもなーって。
サクサク読めます。


                                             2007. 11. 03

アヒルと鴨の
コインロッカー

監督/中村義洋
出演/濱田岳/瑛太 他

2007 .7.28
ロードショー(札幌)
 映 画

これはおもしろかった。
見終わったとき、あーいい映画だったって思った。

このページの一番下でレコメンしてる小説が原作の映画だが
映画化されると聞いたとき、どう映像化すんだろ?って思ってたんだけど
見事に映像化されてた。やるな。

というのも、小説ではストーリーの中に文字で表現するからこそ
成り立つトリックがあって、しかもそれが、ストーリーの中で
大きな意味を持った部分で、どうやって映像で表現すんだろ?
って思ってたら、ああ、こうきましたかって感じで。
なんつーのかな、、こういやっていいのね、っていう。

あと、よくある手法ではあるんだけど、過去と現在が絡み合いながら
話が進んでいく中で、ああ、ここにつながるのね、ってシーンがあるんだけど
ま、詳しくは、是非見てもらいたいんだど、左の写真の二人が
初めて出会うシーンなんだけど、もう、最高だったね。

だから、映画の最初に出てきた出会いのシーンが
過去を踏まえたうえで、途中でもう一度でてくるんだけど
同じシーンなのに、最初見たときと、まったく意味合いが変わって見えて
感動した。

原作を読んで好きな人も、きっと納得して楽しめるし
原作を読んでいなくても、それはそれで楽しめると思う。

ただ、上映してるのが自称映画通が集う(笑)シアターキノなので
映画通です、って顔をしていく必要はあるかもしれない(笑)
オレもほとんどシアターキノに行くことはないから、だから
どんな人たちが集ってるかなって、その点も楽しみで
やっぱりこういう人たちかって感じでうれしかったです(笑)

実際、今日来てた人は女性が多くて(9割女性でした)
一人で来ている人もかなりいました。
年配の女性もけっこういたし、もう、なんつーか上品な方々で(笑)
間違っても、耳から脳ミソ流れ出てるようなバカとかガキはいません。

ハンバーガーとか食べ物は買っていかないようにね(笑)
上映中は食べれないっすよ。
時間にルーズな人も気を付けないと、途中入場もできないっすよ。

いや、でもこの作品は是非見てもらいたいな。
ホントおもしれかったっす。

「アヒルと鴨のコインロッカー」公式サイト

                                             2007 .08. 04

FILT

(フリーマガジン)

2007 .5.19 発行
VOL.27
 フリーマガジン

今って、結構あるでしょ?フリーペーパーとかフリーマガジンとか。
で、オレ別に、そういったものに詳しいわけでもなんでもないんだけど
たまたま入った店に置いてあって、だからこの号しか見たことないんだけど
おもろかった。

この感じだと、いつもおもれーんじゃないかな。
オレは某○○屋珈琲でゲットしましたが、
けっこういろんなとこに置いてあるようなので
是非、見てください。タダだし。

24歳から34歳を対象に奇数月20日に発行している
ライフスタイル提案型のフリーマガジンということです。

ま、置いてる場所とか詳しいことは
こちらで→http://filt.jp/pc/issue2/index.html


                                             2007. 07. 10

悪人

吉田 修一(著)

2007 .4 発売
 小 説

これキタね、吉田修一。
ま、芥川賞作家ってことで、今までも何作か読んだことあるけど
ま、その辺の日常を切り取った感じの
サラっと読める作品が多いように感じていたが
この「悪人」は重い。

重いといっても、読みづらいわけではなく、逆にどんどんページを
めくってしまう。けっこうページ数の多い作品だが
一気に読んでしまった。

でも、けっして「おもしれーよ、これ!」ってな感じではなく
なんか、いやーな感じで終わるというか(笑)
怖い夢を見て起きたときの、なんか心臓がバクバクいってる感じというか。

それだけ、物語に深く入り込めたってことでレコメン。
読んで損はないね。

こういう、ある事件が起きて、それに関わる人々を掘り下げて
書いていく小説は、まぁ、けっこうあるが、たとえば宮部みゆきの「理由」とかさ。
そういうのって、別になにかトリックがあるわけでもなければ
どんでん返しもないから、その物語に感情移入できなければ
つまんない小説になってしまうことは多い。
その点で「理由」はオレん中ではクソ小説だけど(笑)なんであれが直木賞かね。

ま、そんな感じの小説かなーとか思いながら読んだ「悪人」だが
まったくそんなことはなく、久しぶりに「読んだーーー」ってなった。

いろんなとこでも評判いいから、誰が読んでも
ハズレってことにはならないと思うよ。

誰が読んでもってことはないけど(笑)

                                             2007. 07. 08

使命と魂の
リミット

東野 圭吾(著)

2006 .12 発売
 小 説

オレだってさ、できるだけベタなものは紹介したくないじゃない?
多少マニアックなとこレコメンして、かっこつけたいじゃない?

でもな、やっぱり東野おもれーな。
なんなんだろう東野。次から次へとおもしろ小説連発して。

小説初心者におすすめするなら、もう東野しかいないね。
たとえば、この小説読んで、おもしろさ感じなかったら
もう一生、小説読まないほうがいいよ。

ってくらい、おもれーよ、これ。

内容は、なんか、ほら、病院のはなし。


                                             2007. 05. 05

やまだ眼

山田 一成(著)
佐藤 雅彦(著)

2007 .02 発売
 エッセイ?ネタ本?

お笑いの「いつもここから」の片っぽと佐藤雅彦って人が書いた本。
なんかの連載を単行本化したものです。

佐藤さんは、よく知らんけどCMとかいろいろやってる頭いい人みたい。

内容は「いつもここから」のネタに近い感じなんだけど
だから、日常のちょっとしたことにつっこみを入れるような感じで。

で、別に買って読んだわけじゃないんだけど
すみません、立ち読みです。

だから全部読んだわけじゃないんだけど
かなりおもれーよ、これ。
立ち読みするなら気をつけたほうがいいよ。
笑っちゃうから。

だれか、買ったら貸してね。
読みたいけど、買うまでじゃないかな、みたいな(笑)


                                             2007. 03. 18

卑猥 hiwai
(ヘア無修正)

出演 平沢里菜子

2007 .2.2 DVD発売
 映 画

いわゆるピンク映画なんだけど。
今までピンク映画って見たことなかったんだけど
あ、いや、AVとは違うからね
AVは、そりゃー何回も見てるけどさ(笑)

ちゃんとストーリーあるっていうかね。
あんまちゃんとしてないけど。

ま、ピンクっつうんだからセックスのシーンはあるよ。
ベッドシーンとかそんなんじゃなくて
はっきりとセックスのシーンが。

ま、それはいいとして、なんでオレがこんなのを見たのかっつーと
最近、映画関連のブログけっこう見てて
んで、ある人が、もちろんその人はエロ専門とかじゃなくて
映画と名のつくものなら、なんでも見てる人で
も、見てる本数ハンパじゃないんだけど
その人が、絶賛してたからさ、見てみた。

おもしかった。
エロだけ求めるなら、ま、AVのほうがいいと思うけど
なんか、わけわかんねーストーリーがおもしくて。

ここで説明すんの難しいな(笑)

ま、ピンク映画もおもしれーんだなってわかっただけでも
よかったかな。
つっても、そんなに頻繁に見ようとは思わないけど(笑)

平沢里菜子いいよ。元AV女優だけど。
まだ、やってんのかな。知らんけど。


                                             2007. 03. 04

アヒルと鴨の
コインロッカー

伊坂 幸太郎(著)

2003 .11.20 発売
 小 説

やっぱり、伊坂幸太郎は全部読まなきゃダメだと思った。
おもれー。

今までも、まぁ、話題の作家だったし
今後、絶対残っていく作家だと思うから何冊か読んでたけど
これ読んで、あらためて、すげー作家だなって思った。

おもれーよ、伊坂幸太郎。

あ、別に、これ新作じゃないから。
なんか映画化されるってことで、プッシュされてたもんで読んでみた。

でもなー、これ、どうやって映像化すんのかな?
シッポサキマルマリとか。

つっても、読まなきゃわかんないと思うけど
シッポサキマルマリ

これ、ぜってーおもれーよ。
読んでみて。文庫だよ。


                                             2007. 1. 29