みてごらんきいてごらん。13
2017年1月〜
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ダンサー・イン・ザ・ダーク

キャスト
ビョーク 他

監督
ラース・フォン・トリアー

2000年 公開
   映 画

今さらこれ?なんて言わないでくれ。
だって今さら見たんだからしょうがないだろ。

世界的歌手のビョークが主演ってことで
公開当時からいろいろ話題になっていたから
タイトルくらいはみんな知っているだろう。
オレもその一人だ。

観てみたいな、と思わなくもなかったが
みんながビョークビョークうるせーから、はいはいビョークビョークっつって。
「フジロックにビョーク来るんだって!」とか騒がれても
はいはいビョークビョークっつって。

そんなんで、なかなか観ようと思えなかったんだ。(どんな理由だよ)

いや、一番の足かせとなったのは
これがミュージカル映画だということだ。

普通、観る気起きないだろ、ミュージカル映画。
突然歌い踊りだすそれを理解できるほど、オレの意識は高くない。

しかし、だ。この映画のミュージカルシーンは素敵だった。
全体からみると、ミュージカルシーンの割合は少ない。

っつうか、今までミュージカル映画なんて観たことないから
普通のそれがどの程度の割合なのかは知らないが(笑)
この映画は「ところどころ」といった感じだ。

忘れたころに歌い、そして踊りだす。

「きたー」っつって、いつの間にかミュージカルシーンを
待っているオレがいた(笑)

ミュージカルシーンの音楽がかっこいい。
「生活音」から、言ってみれば日常のノイズからその音楽が始まる。

例えば、主人公が働く工場で。
機械がガシャンガシャン鳴っている。
いつの間にかそれがリズムになって。
それにのって歌う。そして踊る。

「なんか、アレだな。ミュージカルって、なかなか、アレだな」

それを認める自分が少し恥ずかしいが(笑)実際そうなんだ。
とても素敵なシーンなんだ。
観ればわかってもらえると思う。

ところでストーリーなんだが。

これはマズい。
マズいやつだ。

今まで、ちゃんとストーリーを調べたことはなかったんだ。
それでも聞こえてくるのは「救いがない」とか「バッドエンド」とか
「鬱になる」とか「カメラワークがぶれぶれで酔う」とか
そんなマイナスなイメージばかり。

確かにその通りだった(笑)

とにかく嫌なことが起こる。
「いや、なんでそうなるのよ!やめれや!」って
思わず声が出そうになるくらい(笑)嫌なことが起こる。
嫌なことばかり起こる。

本当に救いが、ない。

のだけど、そこに挟まれるミュージカルシーンは
どんな悲惨な状況を歌うのであれ、どこか楽しげだ。
その演出の意味はわからないが(笑)そこに救いはある。

だから、ミュージカルシーンを待ち望んでしまう。

そして、最後。

よく映画の宣伝で「衝撃的ラスト」みたいなうたい文句があるだろう。
この映画のラストより衝撃的なものがあれば教えてほしい。

それ程に衝撃的だ。
あんな終わり方をしていいのだろうか。テレビではやれないだろうな。

今さらだが、観てないひとは是非。


                                             2017.04.12


行かずに死ねるか!
(エッセイ)

石田ゆうすけ 著 


2007年06月 発売
   エッセイ

自転車世界一周旅行記。

はじまりは、よくある感じ。
大企業やめて旅に出るってやつ。

実際にそういう人が身近にいるわけじゃないから
よくある感じ、って言ったらかわいそうだけど
でも、こういった類の本書く人って、大概大企業やめるんだよな(笑)

自分が求めている人生と違う、とか言って。

バックパッカーのバイブルとも言われる沢木耕太郎が書いた
旅行記「深夜特急」も、そんな感じで始まったような。
確か就職決まって初出勤の朝、雨が降ってきて、で、
なんか違うとか思って旅に出たんじゃなかったかな。

うるせーバカ。

って、かなり昔に読んだやつだから、違うかもしれない。

いや、批判したいわけじゃないんだ(笑)
おもしろかったんだ。とても。
でも、読み始めは「でたー大企業やめて旅に出るやつ!」
って思ったのは思ったんだ(笑)

かなりハードな旅だ。
期間にして7年半。距離にして9万5000キロ。
その間一度も日本に帰らず。
途中、強盗に襲われて身ぐるみはがされたりもして。

でも、なぜか悲壮感はないんだ。
大変なことも多いけど、オレもこういう旅したいな、と思える。
いや、絶対しないし出来ないけど、「いーなーこういう旅」と
思ってしまう。人との出会いとかね。外国人って旅人に親切だよね。

オレも遠い昔、意図しない海外一人旅状態になったとき(2週間以上も!)
街で地図広げてるだけで、誰か彼か話しかけてくれたもんね。
「ヘイ!どうしたんだい?どこ行きたいんだい?」
って。いや、たぶんね。英語わからねーし、っつうか
ほとんど英語圏じゃない国ばっかりだったから
何言ってるかさっぱり分からなかったけど(笑)

辛かったなー、あの旅。

でも、やっぱり、どこかこういうバカみたいな冒険野郎に
あこがれているところがあるのかな。
テレビの「クレイジージャーニー」とか、異常に好きだもん、オレ。
あの番組おもしろいよね。

オレもクレイジーキャンプはけっこうしてたけど(笑)

どの辺がクレイジーなのかっていうと、
まったく楽しくないキャンプを同じ面子で何年間も続けてたあたりが
クレイジー。

もちろん環境も劣悪だったよ。
閉鎖されたキャンプ場でなんの施設もなかったし
雪降ってくるしで。
だから、まぁまぁ劣悪環境には強いと思うんだよね、オレ。

って、全然本の内容書いてないな。

なんか旅をしたくなる、そんな本です。

変化のない退屈な毎日を送る人にオススメです(嫌みじゃないよ)


                                             2017.03.31


Free will
(アルバム)

PLAGUES 


2017年01月25日 発売
   音 楽

4年ぶり11thオリジナルアルバム。

相変わらずかっこいい。

途中活動休止時期はあるものの、デビューから20年以上経った今も
当たり前のように新譜が聴けるのは、うれしい限りだ。

ギターボーカルの深沼さんは、ここ数年、プレイグス以外の活動も精力的で、
だから、毎年なんやかんや関係している音楽を聴くことはできる。

なんだけど、やっぱり原点のプレイグスは特別だ。

過去のアルバムで、オレが一番好きなのは2ndの
「リトルバッファローララバイ」ってやつなんだけど
今回はそれに近い世界観、ってことでとても楽しみにしていたんだ。

期待を裏切ることなく、かっこいいアルバムだった。

「渇いた感じ」のロックっていうのかな。
基本、ギターロックだから、ギターリフもいちいちかっこいい。

オレもプレイグスの音を目指してやってきたはずなのに
どうしてこうも違うかな(笑)

「音作り」も生っぽい音でいい感じ。
今流行りのロックってデジタルロックで音が画一的で
生ドラムなんだか打ち込みなんだかわからないのが多いからね。

今シーズンのマラソンはこればっか聴いて走るだろうな。


                                             2017.01.26




ドント・ブリーズ

キャスト
ジェーン・レビ 他

監督
フェデ・アルバレス

2016年12月 公開
   映 画

「20年に一本の恐怖作品!」

日本で公開する際に付けられたコピーだ。
それを見れば誰もがホラー映画だと思うだろう。

だが、違う。たぶん。

「たぶん」というのは、単にオレが「ホラー映画」の定義を
知らないからだ。

オレの中でホラー映画の定義は、オバケが出てくるとか
内臓が飛び出すようなスプラッターとか、なんか痛い感じの
そんなやつだ。

その定義からすると、この「ドント・ブリーズ」はホラー映画ではない。
いや、多少痛い感じの場面はあるがスプラッター的なそれではない。

そもそも、オレはホラー映画を見ない。
苦手だからだ。オバケも痛いのも。

だから、この映画を観る前に、慎重に情報を集めた。
ホラーなのかそうじゃないのか。
なぜ慎重になったかといえば、絶対に「ネタばれ」することなく
見るべきだ、という情報もあったからだ。

インターネッツ上にはありとあらゆる情報があふれている昨今。
「ネタばれ」することなく、必要な情報だけを取得するのは
なかなか難しいが、たとえばオレは情報を観る時
薄眼を開けて見るようにしていた。
もちろん、そんなことしても意味はないのだが。

そして、オレは最終的に「ネタばれ」することなく
ホラー的怖さの映画ではない、と判断して映画館に足を運んだんだ。

けっこうホラー映画だった。

とはいえ、オバケは出ないし、痛い感じもギリ大丈夫だった。
オレが大丈夫なら、ほとんどの人は大丈夫だろう。

郊外のゴーストタウンにある一軒家が舞台なのだが。
オープニングで、そのゴーストタウンを俯瞰でとらえた映像が流れた時に

「あ、これ怖いこと起きる」

そう感じずにはいられなかった。なんか暗ーいトーンで。
雨の日の夜明けのような。嫌ーな感じ「しか」しないんだ。

まずいの見に来てしまったな。そう思った。

以下、決定的なことは書かないけど、多少「ネタばれ」あるので、
観に行く人は、以下を読まないように。

あらすじはこんな感じだ。

ゴーストタウンにある一軒家に盲目の老人が一人で住んでいて。
ある理由から、大金を持っているんだ。
その金を狙って若者3人(男2人女1人)が強盗に入るのだが・・

相手は盲目の老人だ。楽勝だろうと。
ところが、その老人はもと軍人。とても強い。

いや、強いっていったって、目が見えないんだろう?
楽勝じゃん、そう思うかもしれない。
でも、こんなことが起きたらどうだろう。

電気が消えて真っ暗になる。

その瞬間、「目が見える」というアドバンテージは消失する。

いや、内容っていったら、ホントあらすじ通りで
それ以上のことはないんだよ。

オレもそこまでの情報は持ってたから
なんか、アレだろ、ちょっと怖いホームアローンみたいな映画なんだろ?
老人が泥棒を撃退する、みたいな。

まったく違う。

もうね、最初っから最後まで緊張しっぱなしだ。
たとえば映画「エイリアン」的な怖さっていうかな。
どっから老人がやってくるのか怖くて怖くて。

「どっから老人がやってくるのか」

なんて書くと、笑えなくもないんだが、いや、実際思い返してみると
何が怖かったのかよくわからないんだが、ものすごく怖かったんだ。
ホラー映画にありがちな、いきなり「ドカーン」つって
ビックリする場面も何箇所もある。
もし徹夜明けで観に行っても、一瞬も眠くならないことだけは保証するよ。

でだ。

ここから、少し「ネタばれ」だ。

映画の中盤くらいだったかな。
あるシーンで「ドカーン」つってビックリするんだけど、
一瞬映る映像に、誰もがこう思うはずだ。

「誰だよ、おまえ」

このシーンの意味がわかったとき、それまでどちらかといえば
「老人がんばれ」と思っていた気持ちが180度変わる。
「若者逃げろ!」って。

とんでもない老人だったんだ。

怖いけどおもしろいよ。

札幌は去年末公開でまだやってるんだけど、
いつまでやってるのかな。ちょっとわからないけど、ぜひ。

いずれDVDでも出たら、家の中の電気消して見たら
それはそれで、なかなか怖いんじゃないかな。



                                             2017.01.16