みてごらんきいてごらん。7
2011年1月〜
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V
(アルバム)

GHEEE

2011年5月25日 発売
  音 楽

PLAGUESの深沼元昭の別プロジェクト、GHEEE(ギー)の3rdアルバム「III」

バンドメンバーはG・Vo深沼元昭の他に同じくG・VoにPEALOUTの近藤智洋
(ギーはツインボーカルバンドなんです)ドラムはZEPPET STOREのYANA、
ベースはtokyo pinsalocksのHisayoの4人で構成されている。

曲はけっこうハードでエモな感じのギターロックサウンドっていえばいいのかな。
1st、2ndアルバムを聴いたときは、正直それほど自分の感覚には
馴染まなかったというか、いや、かっこいいことはかっこいいんだけど、
いまいちグッとこなかったっていうか。
全編英語詞ってのも影響したかもしれないな。もしかして。

で、3rdアルバム「III」だ。

すごくいいよ。

1st、2ndアルバムと世界観っていうか雰囲気はそれほど変わっていないんだけど
なんだろ、なにかが違った。とてもいい。

加えて、このアルバムの発売ライブツアーが札幌で3日連続であって。
その全部に行って、たぶん「III」の曲、全部聴けたんじゃないかな。
そんなこともあって、このアルバムがとても思い出深いものになったってのも
あるんだけどさ。

もうね、最高にかっこいいアルバムなので、聴いてみたらいいじゃない。


                                             2011. 07. 05

無理

奥田 英朗(著)

2009年 発売
 小 説

どちらかといえば奥田英朗は、ドタバタコメディータッチの作風が多いと
思っている人も多いかもしれない。

少し前に深夜ドラマで放送していた石原軍団のなんとかっつー
若手(でもないか)俳優が演じていた、破天荒な精神科医を主人公にした
原作の小説はけっこう有名だし人気もあるから、その影響もあるだろう。

その他、映画化されたいくつかの作品もドタバタコメディーだったり
ほのぼのとした雰囲気のものがほとんどだ。
奥田英朗が書くエッセイを読んでも「おもしろい」感じの人だし。

その昔、筒井康隆で小説のおもしろさにに開眼したオレとしても
もちろんドタバタコメディーは好きなのだが、奥田英朗の小説では
ダークサイド側の小説が好きなんだ。

そもそも、奥田英朗を知ったのは「最悪」というコメディーのコの字もないような
嫌な感じの暗い小説で(笑)何人かの登場人物がどんどん
人生最悪の方に転がり落ちていく群像劇っていう。
それはもう、今の自分がかなり幸せに思えるほどの(笑)転落っぷりで。
かなりグイグイ読ませる小説だったんだけど。

その流れを組む小説が奥田英朗作品には3つあって。
「最悪」「邪魔」そしてこの「無理」ってやつ。

基本的にはどれも数人の登場人物が、なにか嫌な感じの暗い事件に
まきこまれていくっていう。
この「無理」の舞台は合併でできた「ゆめの」っていう架空の地方都市で。

登場人物はヤンキー上がりのサギまがいの商売をする営業マンだったり、
市民のことをちっとも考えない主婦売春にはまっていく生活保護課の公務員      
だったり、スーパーの保安員(万引き客をつかまえる)をやりながら
信仰宗教にすがって生きる主婦だったり、選挙のことしか考えていない
二世議員だったり、女子高生を拉致監禁してしまった
ネットゲームの世界に生きる引きこもりの男だったり。

うわーこんな人生送りたくないわ、って登場人物ばかりで。
そしてさらに嫌やーな最悪な事件に巻き込まれていくっていう。
殺人とかもからんできちゃったりして。

その話のどれもが現実にありそうで、ほんと嫌な気持ちになる。
と同時にページをめくる手が止まらない(笑)

で、その登場人物たちが物語の終結にむけてからみ出し
そして収束していくのだが・・

もし読む人がいたら注意しておきたいのは
けっこうなページ数があってボリューム満載って感じなのだが
すっきりした結末を望む人は読まない方がいいと思う(笑)

残りページが少なくなってくるにしたがって
「え、まさかこのシーンで終わらないよな?でもページ数からいって
終わるよな」なんて思いながら読み進めると、やっぱりそのシーンで
終わってしまって(笑)
だから、「いや、その先どーなんねん」という思いを抱かずにはいられないのだが、
そういうところで終わるのもまた小説ってことだから。

結局は日常を切り取って描いているからには、どこにも終わりはないわけで。
ま、死ぬまでは。

でも最後までグイグイ読ませる度はハンパないので、ぜひ。

                                             2011. 05. 12


一瞬の風になれ

佐藤 多佳子(著)

2006年 発売
 小 説

いわゆる青春スポーツもの。

どちらかといえば、中学生、高校生をターゲットにしたような
簡単な物語なのだが(読みやすいって意味で)
だから、意識してかどうか知らないが、全体的に文体が
若者言葉になっており、大人が読むと少々違和感があるかもしれない。
でも、ま、そんなの関係なしにおもしろい。

「青春スポーツもの」には「三大青春スポーツもの」とよばれる名作があって
この「一瞬の風になれ」と、あさのあつこの「バッテリー」と森絵都の「DIVE!」が
それなんだけど、タイトルくらい聞いたり見かけたりしたことあるでしょ?
三人とも女性作家ってのがなんかおもしろいところだよね。

ちなみに「バッテリー」は野球の話で「DIVE」は水泳の飛び込みの話。
「バッテリー」は昔読んだけど途中でやめちゃった(笑)
けっこうおもしろかったんだけど、文庫本で5巻とか6巻とかまであって(確か)
めんどくさくなっちゃってさ(笑)
「DIVE!」はよく知らね。

で、「一瞬の風になれ」は高校生が主人公の陸上部の話。
主人公はスプリントの選手なので100mと4×100mリレーが
中心になった物語なんだけど、まぁ、おもしろいね。

文庫本で全3巻なんだけど、サッカー少年だった主人公が
高校から陸上を本格的に始めて成長していく物語。
もう、3巻目の高校最後の大会のレースシーンがすげーおもしろい。

もしかしたら1、2巻目でオレの「バッテリー」のように挫折してしまう人も
いるかもしれないが(いや、1、2巻目もおもしろいんだよ、なかなか)
ぜひとも3巻目までがんばってもらいたい。必ずおもしろいから。

特に4×100mリレーのシーンは緊張感があり、思わず「おめーらバトン落とすなよ!」
とかって小説に対して心の中で真剣に語りかけたものだ(笑)

で、この小説の影響で北京オリンピック4×100mリレーで
日本男子チームが銅メダルを獲得したレースを激しく見たくなり
ユーチューブで何度も見てしまったわけだが、なんだか
音楽とかつけて感動的に仕上げた動画がいっぱい上がってて、大変満足でした。
で、銅メダルって結果わかってんのに「いけー!」とか
叫んでしまったよね(笑)

しかし、ま、さすが「三大」なんちゃらって呼ばれるだけあると思うよ。この小説。
おもしろかった。今度「DIVE!」も読んでみっかな。

でも、ま、オレの最大のお勧め青春スポーツ小説は
ここでも昔レコメンしたけど、三浦しをんの「風が強く吹いている」っていう
箱根駅伝を舞台にした小説なんだけどね(笑)


                                             2011. 05. 02

星を継ぐもの

(著)

1980年 発売
 小 説

SFもの。
本格的SFの代表作、って感じかな。

最近、オレの中で「不朽の名作を読んでみる」というテーマがあって(笑)
古い作品だろうがなんだろうが、ネットなんかで多くの人が
「絶対読むべき」と勧める小説を探しては読んでみているんだ。

この作品も1980年に発表された、とても古い作品なんだけど
巷ではそうとう評価の高い作品なんだよ。

まったく知らなかったけど(笑)

曰く「SFにまったく興味ない人でも、絶対おもしろい」
曰く「これを読まずしてSFは語れない」
などなど。

で、もうね、もんのすごくおもしろかった。

ストーリーとしては、ある事件(発見)を発端に人類の起源を
推理し、そして証明していく、っつー、なんだろ
これだけ聞くと、クソおもしろくない感じがしないでもないが(笑)
宇宙とか宇宙人とかUFOとか興味ある人は絶対おもしろいし
興味ない人は、そうだな、1ページ目でギブアップするかも(笑)

とにかく、読んでるうちに、なんだろう、フィクションって思えなくなってくるんだ。
それはきっと、あれかな、ある程度の科学的根拠に基づいて書かれているから
なのかもしれないけど、それ故、理系的な専門用語もちらほら
でてくるから、やっぱりダメな人はダメかもな(笑)

オレ的には絶対にオススメしたいけど、あまり「読書」に慣れてない人もダメかなー、
物語に入り込む前にギブアップしちゃうかも、字小っさいし(笑)

で、これ、3部作で完結するんだけど、今2つ目読んでるんだけどね。
もう、平気で宇宙人つーか、いや、もっとリアルな世界ではあるんだけど
ガメニアンっつー、知的地球外生物っつーか、ま宇宙人だよな(笑)
が出てきていろいろやってるんだけど(笑)もう、おもしろいんだわ。

ちなみに、地球人のルーツはルナリアンなんだけど、
って言っても、なにがなんだかわからないと思うけど(笑)誰か読んでくれないかな。
で、ガメニアンとかルナリアンについて語り合おうぜ!(笑)

できれば、絶対読むべき!

                                             2011. 01. 02