2011/11/15(火) 『普通の世界』 |
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きっと、それ、TPPおばけの仕業じゃないかな。
この週末は、高校の同窓会やら秋キャンプやらJ-COM再訪問やらで
忙しかったわけだが、いろいろありすぎて何から書けばいいのやら。
たとえば「ボタニカルアート」っていうらしいんだ。
簡単に言えば、「植物の絵」ってことだろうか。
ほら、植物図鑑とかに、ま、なんつーか写真みてーに
正確に描いてある絵あるでしょ、そんな絵のことを
「ボタニカルアート」っていうらしんだ。
同窓会の話しだ。
同期の人たちの集まりじゃないよ。
卒業生全員対象の集まりだ。だから上は75歳から
下は、ま、若い人はいなくて37歳だったかな。
函館の高校の同窓会で、札幌支部の集まりとかってやつで。
今までそんなの行ったことなかったんだけど
最近集まりが悪いからって。特に若い人たちっがて。
お知らせきて。で、行ってきたんだ。
オレも最近じゃめったに「若い人」のカテゴリに
属することはないんだけど、たとえばライブやったって
対バンを見渡せば、まず最年長になるだろ(笑)
で、その同窓会では
「ほら、もっと飲みなさい、若い人」と呼ばれる、そんな
高齢な集まりだったのだけど(笑)
そもそもオレは、同窓会とか、そういった「過去」の集まりは
好きじゃないんだけど、なんか今回は行ってみようかな、
そう思ったんだ。歳をとったということだろうか。
いや、なんつーか「普通の世界」を見たかったのか。
「普通の世界」という表現ををあまりマイナスなイメージで
とらえてほしくないのだが、でも、ま、オレはありがたいことに
「今」がとても忙しくて、過去のつながりを懐かしむ「暇」はない、
といったらちょっと失礼かもしれないから、「余裕」がない、
と言っておこうか。
だから、同窓会といった、みながごくあたりまえに
ひとつの「よりどころ」としている場所を見てみたいと
思ったんだ。
もうね、想像したとおりの場所だったよね。
やっぱり、ある程度人生うまくいってる人しか
集まってないし、だから基本「自慢話」の応酬だ。
まぁ、いいじゃないか、それが「普通の世界」なんだよ。
二次会ではみんなで校歌を歌ったりして
そんなベタな展開が楽しかったよ(笑)
といっても、あくまで「俯瞰」的な視点であることは
否定しない。「やっぱり、こんな感じなんだー」つう。
ま、それが「普通の世界」なんだろうし、
良いも悪いもない。
で、「ボタニカルアート」だ。
大先輩の女性がいたんだ。何歳くらいだろう。
60歳前後かな。お上品な佇まいの女性だ。
「ボタニカルアート」をやっている、という。
銀座だかどこだかで個展も開いたんだと。
で、会も後半、みなが席を立ち、それぞれ名刺交換やら
なにやらラストスパート(笑)に入ったころ
その女性が話しかけてきたんだ。
片手に紙袋、そこから取り出したのはカレンダー。
「ボタニカルアート」のカレンダーだ。
もちろん、その女性が描いた絵だ。
月ごとの絵は、きっとその季節にちなんだ植物なのだろう。
そのひとつひとつの絵に花ことば、でもないんだろうけど
ちょっとした「詩」的なエピソードがそえられている。
それもその女性が書いたという。
なんでも、3.11の震災のあと、ボランティアかなにかで
東北を訪れた際、それをみんなに配って
大変よろこばれたそうなんだ。
で、今、ふと思ったんだけど、ってことは、それ
今年のカレンダーだったのだろうか。
いや、良く見なかったからさ。っつーのも、
ひとしきりカレンダーにかかわるエトセトラを聞いたあと
その女性はこう言ったんだ。
「いかがですか?」
オレは即座には、その言葉の意味を理解できなかったんだ。
それまでも「へーすごいですねー」を連発していた
オレだが(その態度はだいたい想像できるだろうが・笑)
さらに、もっと、持ち上げなきゃならねーのか?
そう思った次の瞬間、その女性はこう言い放ったんだ。
「1,300円なんですのよ」
なんで、そうなるんだろう。
11月の今、もしかして今年のカレンダーが1,300円?
ウソだろ。いや、来年のカレンダーだとしたって
そうなる?それが「普通の世界」?
たとえば、オレが「いやーバンドやってるんですけど、
これ3,000円なんですけどね」ってCD差し出したら
誰か買う?(笑)
いや、わかんねーよ。その世界ではわりと有名な
人かもしれないんだよ。
でも、それはなくない?
いや、けっこう買ってる(買わされてる?)人はいたよ。
1,300円くらいどうってことない人たちばかりだ。
オレは買わなかった。
それまで散々「すごいですねー」とか言っておいて
買わなかった(笑)
いや、もっと別のアプローチがあれば買ったかもしれない。
でも、あの場所、あの時間帯での売り込みはねーな。
TPPおばけが出たぞー。
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