2011/08/07(日) 『調査』 |
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その奇妙なハガキが届いたのは、先週の木曜日だったろうか。
差出人は札幌市教育委員会生涯学習推進課となっている。
「若者の意識に関する調査」のご協力のお願いについて、
という見出しに続き、ハガキにぎっしりとその旨を説明した
文字が詰め込まれている。
まず、オレは若者じゃねーだろ、と思ったものの
対象は札幌市に住む15歳から39歳までとなっているから
まぁ、間違いではないのだろう。
なんでも、札幌市に住む15歳から39歳までの中から
無作為に2,000人を抽出したというのだ。
オレは、何かそこに意図的な、だから「無作為」の信憑性に
少々懐疑的になったのだが、それは次に続くこんな
文面に何か嫌なものを感じたからだ。
「つきましては、突然のお願いで誠に恐縮ですが、
下記調査実施機関から調査員を伺わせますので、
ご協力くださいますようよろしくお願いいたします」
なんだろう、この有無を言わせない一方的な物言いは。
突然のお願いにも程があるだろう。
だって、そうだろ?普通アンケートでもなんでも
調査をするときは、まず、こちらが協力するかどうか
確認するのが筋だろう?
「調査員を伺わせます」とあるが、その日時は明記されていない。
いつからいつ、という期間的なことも一切書かれていない。
そして「下記調査実施機関」とうのが
「株式会社マイクロフィッシュ」となっている。
なんだろう、申し訳ないが、この胡散臭いネーミングは。
まぁ、札幌市教育委員会から委託されたのだろうが
何か嫌な響きのネーミングだ。
たとえば、知人がここに就職したとか聞いたら
「大丈夫か、その会社?」そう聞きたくなるようなネーミングだ。
いや、ほんと失礼なことを書いているが、しかし一方的に
オレを調査すると言っているのだから注意するに
越したことはないだろう。
すぐさまインターネッツによって、その会社を調べてみたが
確かにその会社は存在した。データ解析や調査など
いろいろやっている会社らしい。
ちなみに「フィッシュ」のスペルは魚のそれではなかった。
どうでもいいが。
しかし、ホームページがあるからといって
まともな会社だと思い込むほど、オレもバカじゃない。
逆に疑うべきだ。ホームページがあるからといって
なんだというんだ。猫も杓子もホームページの時代だ。
勝手にオレの意識を調査しようとしている会社だ。
とにかく、オレが気をつけなければいけないのは
すでに調査は始まっているのではないか?ということだ。
なんせ調査日時が明記されていない。
それに加えて「調査員を伺わせます」と一方的に宣言している。
もう、オレの周りにはマイクロフィッシュの調査員が
息を潜めて「伺って」いるのではないか。
たとえば明日、コンビニで弁当を買ったとき
レジいる店員が突然こんなことを口にするんだ。
「いつも食事はコンビに弁当ですか?」
「え?なんですか?」
「いや、あなた渋谷さんですよね?」
「え、あ、まぁ、そうですけどなんで知ってるんですか?」
「申し遅れました、私マイクロフィッシュの佐藤と申します」
あるいは、道端で人が倒れているんだ。
「大丈夫ですか?」
そう言って手を差し伸べた途端、こんなことを言うんだ。
「合格です。若者として合格です。私マイクロフィッシュの
鈴木と申します」
いや、でも、やっぱりオレ若者じゃねーんだけどな(笑)
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